実は『調律』というのはピアノメンテナンスにおける作業工程の1つです。調律以外にも様々な調整があり、それらすべてが整って初めてそのピアノの良さが最大限に発揮できます。まずはそのピアノの状態を診断し、下記の調整から必要なものをピックアップし、ご提案させていただきます。もちろんどこまで調整するかはご相談の上決めさせていただきます。不必要な調整を強要することは一切ございませんので、ご安心ください。
ピアノには約230本の弦が80kg前後の力で張られています。全体で約20t。それらの弦はハンマーフェルトで叩かれて振動が起こり、徐々に緩みが生じます。弾かなくても温湿度変化に伴い弦の張り具合も変化しますので、それによる音の狂いを正しく合わせていきます。長年調律されていないピアノの場合、弦が大幅に緩んでしまっていることが圧倒的に多いです。
特にアクションと呼ばれる精密な部品の集合体。それらは温湿度の変化にとても敏感です。木材の部品は少しずつ歪みが生じたり、フェルトやクロス類の部品は膨張・収縮などが起こります。ほんのわずかな歪みや狂いですが、それらが原因で均一なタッチが保てなくなり、発音に支障が出るような場合もあります。そのわずかな歪みや狂いを修正し、鍵盤からハンマーまでロスなく最適な力が伝わるように整えます。
ピアノ弦を叩いているハンマーというフェルトのかたまり。このハンマーの固さや形状、弦に当たる角度が変化すると、音色や音量にばらつきが出てきます。ハンマーを削って形を整えたり、針を刺して柔らかさを調整し、弱い音から強い音まで豊富な音色が出せるよう調整します。ハンマーの削り方や針を刺す回数・深さ等によって、仕上がりの音色も変わってきますので、とても繊細な技術と音楽的感性を要する作業工程です。
ピアノ内部のホコリ、カビ、サビ等を取り除きます。ホコリが溜まった状態で長年放置すると、そのホコリが湿気を吸い、ピアノの中は言うなれば濡れた雑巾を放置しているような状態に。ホコリやサビが原因で部品がうまく機能しなくなり、演奏に支障が出る場合もあります。サビが酷くなると部品交換が必要になったり、弦が切れる原因になることもあります。
ピアノを弾くことで摩耗する部品もあれば、弾かなくても劣化により部品が正常に機能しなくなる場合もあります。その場で短時間で修理できるものから、部品を数日~数週間お預かりさせていただく修理等、様々なものがあります。
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